素粒子物理 · Baryon Asymmetry of the Universe

バリオン非対称性

解明状況:未解明

宇宙のはじまりでは物質と反物質が同じ量だけ作られたと考えられる。両者が出会えば対消滅して光になるため、本来なら宇宙には物質がほとんど残らないはずだ。しかし現実の宇宙は物質でできており、反物質はごくわずかしか存在しない。なぜこの「わずかな偏り」が生まれたのか(バリオン数生成、バリオジェネシス)は未解明である。CP 対称性の破れがその鍵とされるが、標準模型で確認された破れの大きさでは現在の物質量を説明しきれない。

分類
素粒子物理
現在の解明状況
未解明
関連ミッション・観測機器
  • LHCb(CERN)
  • Belle II(KEK)
  • T2K(J-PARC)
関連機関
  • CERN
  • KEK

最新の研究動向

現在の解明状況は「未解明」です。 LHCb(CERN)、Belle II(KEK)、T2K(J-PARC)といった観測・ミッションを通じてデータの蓄積が進められています。 研究は主に CERN・KEK などの機関が担っています。 ただし確定的な結論には至っておらず、観測精度の向上や新たな理論の検証が続いています。

この問いはまだ解明されていない(acceptedAnswer: null)。 本ページは確定した答えを提示するものではなく、現在の研究状況を構造化して示すものである。

関連エントリ

宇宙の謎ブラックホールの情報パラドックスホーキングは、ブラックホールが量子効果によって徐々に熱的な放射(ホーキング放射)を出して蒸発すると示した。しかしこの放射が完全にランダムなら、ブラックホールに落ち込んだ物質が持っていた情報は永久に失われることになり、情報が消えないとする量子力学の基本原理と矛盾する。これがブラックホール情報パラドックスである。ホログラフィー原理や近年の「島(island)公式」など量子重力の文脈で活発に研究されているが、決定的な解決には至っていない。宇宙の謎宇宙の大規模構造宇宙の銀河は一様に散らばっているのではなく、銀河団・超銀河団が連なる「フィラメント(宇宙の網)」と、その間に広がる巨大な空洞「ボイド」からなる泡状の構造を作っている。この構造は初期宇宙のわずかな密度ゆらぎが重力で成長してできたと考えられるが、その成長の詳細や、ダークマター・ダークエネルギーが構造形成に与える影響は完全には解明されていない。観測される構造の大きさや均質性が標準宇宙モデルの予測と合うかも、精密に検証され続けている。宇宙の謎ハッブル定数の矛盾(ハッブルテンション)宇宙が現在どれくらいの速さで膨張しているかを表すハッブル定数の値が、測り方によって食い違っている。初期宇宙の宇宙背景放射(CMB)から間接的に求めた値(約67 km/s/Mpc)と、近傍の超新星やケフェイド変光星から直接求めた値(約73 km/s/Mpc)が、誤差を超えて一致しない。これがハッブルテンションである。観測の系統誤差なのか、それとも標準宇宙モデルに未知の物理(新たなダークエネルギーや素粒子)が必要なのか、現代宇宙論最大の懸案の一つとなっている。