宇宙論 · Arrow of Time

時間の矢(時間の方向性)

解明状況:未解明

物理法則の多くは時間を逆向きにしても成り立つのに、私たちの経験する時間は過去から未来へと一方向にしか流れない。なぜこの「時間の矢」が存在するのか。熱力学第二法則によれば乱雑さ(エントロピー)は増大し続けるが、これは宇宙が始まったときに極端に秩序だった(低エントロピー)状態にあったことを前提とする。ではなぜ初期宇宙はそれほど特別な低エントロピー状態だったのか。この問いは宇宙論と統計力学、量子重力をまたぐ根源的な未解決問題であり続けている。

分類
宇宙論
現在の解明状況
未解明
関連ミッション・観測機器
    関連機関
    • CERN

    最新の研究動向

    現在の解明状況は「未解明」です。 研究は主に CERN などの機関が担っています。 ただし確定的な結論には至っておらず、観測精度の向上や新たな理論の検証が続いています。

    この問いはまだ解明されていない(acceptedAnswer: null)。 本ページは確定した答えを提示するものではなく、現在の研究状況を構造化して示すものである。

    関連エントリ

    宇宙の謎宇宙の始まり以前標準的なビッグバン宇宙論は、宇宙が約138億年前の高温高密度状態から膨張してきたことを describe するが、その「始まり」そのもの、あるいはそれ以前に何があったのかには答えられない。一般相対性理論は宇宙の始まりに特異点(密度や温度が無限大になる点)を予言するが、これは理論が破綻していることを意味する。インフレーション以前の状態、量子的なゆらぎからの誕生、永遠のインフレーション、ビッグバウンス(収縮からの跳ね返り)など多くの仮説があるが、観測で検証する手立ては乏しく、未解明である。宇宙の謎マルチバース(多宇宙)私たちの宇宙が唯一の宇宙ではなく、無数の宇宙が存在するという「マルチバース」仮説がある。永遠のインフレーションが次々と別の宇宙を生むという描像、弦理論が許す膨大な数の真空状態、量子力学の多世界解釈など、複数の文脈から多宇宙が示唆される。物理定数が生命に都合よく調整されている理由を説明できる可能性がある一方、他の宇宙は原理的に観測できないため、これが検証可能な科学かどうかをめぐる議論も続いている。実在するかどうかは未解明である。宇宙の謎量子力学の観測問題量子力学では、観測される前の系は複数の状態が重ね合わさった波動関数で記述される。ところが観測すると、なぜか一つの確定した結果だけが現れる(波束の収縮)。この「測定の瞬間に何が起きているのか」を説明する観測問題は、量子論の根幹に残る未解決問題である。コペンハーゲン解釈、多世界解釈、客観的収縮理論、パイロット波理論など互いに矛盾する解釈が併存し、観測者や意識の役割をめぐる議論も尽きない。どの解釈が正しいのかを決める決定的な実験はまだない。